裏・世界の車窓から
- タイ・バンコク
- 2015年7月10日
- 読了時間: 3分

タイでの話です。
南北に、ニョキニョキっと伸びるタイは、国鉄が驚くほど安く 近隣の国にも恐縮してしまう様な値段で行けたりします。
便数は、少ないものの24時間走っている列車で 僕は、タイ北部からバンコクのホアランポーン駅に向かう車中で 夜風を浴びながら連結部でタバコをふかしていると
走る列車のすぐ脇で、闇夜に白く光るモノが所々にある事に気付きました。
時間は、夜中の1時ぐらいやったかな? まぁ割りと遅い時間帯で
「なんの光やろ?」 「ちょっとデカい蛍的な昆虫かも?」とか 「夜に生きる悲しい女の涙?」とか 「テロリストの新兵器?」とか エキゾチックな妄想にふけっていました。
そんな思いを胸に秘めつつ、到着駅へと列車は近づきます。 そして、終着点へと近づくにつれ謎の光は、次第に増えて行きます。
長かった列車の旅も終わりを向かえ、停車する為に速度を落としだした列車から 僕は目を凝らし、謎の光る物体をできるだけシッカリと見てみると
なんとソレは、人でした!
黒めの肌を差し置いて、歯とか目玉が、そういう風に白く光ってるように見えていたのです。
「コイツらは線路のすぐ横で何をして居るんだ?」と、物凄く不思議に思ったんですが そんな事よりも、その近さに驚きました。
昔、流行った【時速100キロぐらいで走る車の外に手を出すと おっぱいを触ってる感触がする】っていうアレを迂闊にやろうものなら 高速ラリアットを決めてしまうくらいの距離に居るのです! 当たれば多分殺せます!! タイ人と列車の、その距離は 居合い抜きの達人が紙一重で敵の刀をかわすくらいの近距離でした。
「何をやっとるんだタイ人は?」
謎を解く為に注意深く観察していると タイ人はただソコに『居てる』だけではなく 椅子に座って談笑していたり 机を持ってきてご飯を食べていたり 寝てる人までいる始末。
なぜこんな危険な場所で…
ますます意味が分からなくなる…。
ソコで、僕は悪い頭をフル稼動させて 金田一くんやコナンくんばりに推理しました!
すると幾つかの共通点というか キーワードみたいなのが見えてきました。
1,これらの人はみんな、貧しそう
2,貧しい→クーラー無い
3,ココはタイ→アツい
4,列車の横→【疾風】と書いてカゼ
謎は全て解けました。
そうです!彼等にとって、僕が載ってるコレは 扇風機なのです!!
サーファーがビッグウェーブを待つように
彼等は『Cool Wind』を待っているのです!!
犯人は、長い間、熱帯夜に悩まされていました。 寝たいけど暑い。暑いから寝れない。 恐るべき悪循環!
「涼しければ寝れるのに…」 「風があれば涼しいのに…」 「このままじゃ、目の下クマだらけだ…」 「それなら、いっその事…」
意を決した犯人の命を賭けた夕涼みです!
しかし、一か八かだったのは、最初の内だけで
今となっては 「夜風に当たっても、列車には当たるな!!」
タイでは、足し算を教える前に親から子へと教えられているかどうかは知りませんが
さすが微笑みの国タイって感じです!
そんなタイにまた行きタイ!!

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